行政書士になるには学歴が必要なの?
中卒・高卒でもチャンスはあるの?
そんな疑問を持つ方に、こちらの記事では行政書士と学歴の関係について解説してみました。
行政書士試験の受験資格に学歴は関係ない

中卒・高卒の方でも、行政書士試験に合格すれば行政書士になれます。
なぜなら行政書士試験には受験制限が無いからです。
つまり年齢、学歴、国籍に関係なく誰でも行政書士試験に挑戦できます。
結論、行政書士試験さえ合格すればOK。
ちなみに私も最終学歴は高卒です。(専門学校中退)
行政書士になるための3つのルート

- 行政書士試験に合格する
- 公務員として行政事務を一定年数経験する
- 弁護士、弁理士、公認会計士、税理士のどれかの資格を持つ
1.行政書士試験に合格するルート
最も一般的なルートが行政書士試験に合格することです。
毎年11月の第2日曜日に試験が実施されております。
2.公務員として行政事務を一定年数経験するルート
公務員として17年以上(中卒の場合は20年以上)の勤務経験があれば、行政書士試験を受験せずとも、行政書士になれます。(特認制度)
ちなみに公務員と行政書士の兼業は認められていません。
私の周りでも実際に元市役所職員、元警察官の行政書士の方がご活躍されております。
3.弁護士、弁理士、公認会計士、税理士のどれかの資格を持つルート
これらの国家資格をすでに保有している方は、行政書士試験を合格せずとも、行政書士になることができます。
いずれも行政書士試験より難易度の高い国家資格ですので、行政書士を目指している方は行政書士試験を受験しましょう。
行政書士試験の合格率

年度 | 受験申込者数 | 受験者数 | 合格者数 | 合格率 |
---|---|---|---|---|
令和6年度 | 59,832 | 47,785 | 6,165 | 12.90% |
令和5年度 | 59,460 | 46,991 | 6,571 | 13.98% |
令和4年度 | 60,479 | 47,850 | 5,802 | 12.13% |
令和3年度 | 61,869 | 47,870 | 5,353 | 11.18% |
令和2年度 | 54,847 | 41,681 | 4,470 | 10.72% |
令和元年度 | 52,386 | 39,821 | 4,571 | 11.48% |
平成30年度 | 50,926 | 39,105 | 4,968 | 12.70% |
平成29年度 | 52,214 | 40,449 | 6,360 | 15.72% |
平成28年度 | 53,456 | 41,053 | 4,084 | 9.95% |
平成27年度 | 56,965 | 44,366 | 5,820 | 13.12% |
平成26年度 | 62,172 | 48,869 | 4,043 | 8.27% |
平成25年度 | 70,896 | 55,436 | 5,597 | 10.10% |
合格率は約10%。
10人受けても、1人しか合格できない狭き門であることがわかります。
しかし、合格率は全く気にしなくていいです。
なぜなら、
行政書士試験は絶対評価の試験であり受験者の質にばらつきがあるからです。
行政書士試験は絶対評価
行政書士試験は300点満点中、180点で合格です。
受験者の上位〇%しか合格できない、相対評価の試験ではありません。
つまり、合格点の180点さえ取れば、必ず合格できる試験なのです。
受験者の質にばらつきがある
毎年40,000~50,000人の受験者がいますが、その中で、本気で行政書士試験に挑んでいる方は何人くらいでしょうか。
前述した通り、行政書士試験には受験制限が無いため、誰でも挑戦できます。
何が言いたいかと言うと、行政書士試験に向けて本気で勉強している方がいる一方で、勉強不足のまま受験している方も一定数いるということです。
難関資格であることは事実
以上のことから、合格率については全く気にしなくていいので、
こんな難しい試験、自分には無理かも…
と諦めて欲しくないです。
とは言っても、1〜2か月程度の勉強で合格できるほど易しい試験ではないことも、十分理解しておきましょう。
1年間、毎日2〜3時間は勉強する覚悟は必要です。
行政書士取得後の就職先とキャリアの可能性

一般企業や法律事務所への就職
一般企業への就職や転職に行政書士資格が有利になることは、ほぼ無いでしょう。
なぜなら、行政書士資格が一般企業の仕事に直接役立つとは限らないからです。
やりたい仕事が既に明確なら、最初からそこを目指してスキルや資格を取得した方がいいです。
しかし、行政書士事務所へ就職・転職する場合は、行政書士資格が評価されます。
行政書士事務所に限らず、司法書士事務所、税理士事務所、社会保険労務士事務所なども、求人内容の歓迎スキルに「行政書士資格」が記載されていることがありますので、そういった場合も行政書士資格を持っていると有利になるでしょう。
独立開業の道
行政書士資格を取得すれば「独立開業」ができます。
雇用される立場ではないので、売上を自ら作り上げていく努力と戦略が必要となりますが、
頑張った分だけ収入に直結するのは、独立開業の一番の魅力と言えます。
実際に独立開業した私としては、「自由」な働き方ができることにも大きな魅力を感じました。
自己責任のもと、出勤時間、退勤時間、休日、お給料、働く場所、仕事の進め方などなど、全て自分の裁量で決められます。
とは言っても事務所の経営が軌道に乗り始めたら、休む暇もなく働くことになりますが。
でも、不思議と嫌じゃないんですよね。
会社員の頃は、あれだけ残業が嫌だったのに。
今では忙しい日々と言うより、充実した日々を送れています。
中卒が行政書士資格を取得するメリット

周囲からの評価が変わる
行政書士資格を取得すると周囲からの評価や見られ方が変わります。
多くの方が「行政書士=難関資格」というイメージがあるからです。
私は働きながら行政書士資格を取得し、会社の同期や後輩に行政書士試験に合格したことを話すと、
すごいですね!かなり難しい試験ですよね?
と言った反応が返ってきて、ちょっと嬉しかった記憶があります。
なので、行政書士資格を取得すると、シンプルに「すごい」「頭がいい」と言った評価に繋がります。
学歴に関係なく活躍可能
中卒の行政書士だろうと、高卒の行政書士だろうと、大卒の行政書士だろうと、行政書士は行政書士です。
学校の勉強が苦手だった方も、高校や大学に進学できなかった方も、行政書士になってしまえば、全く関係ありません。
現に高卒の私でも、行政書士として独立開業し、年間売上2000万という結果を残せていますから、学歴に関係なく十分活躍できると言えます。
行政書士試験における勉強法と対策

行政書士試験に合格するための勉強法は3パターンです。
- 独学
- 通信講座
- スクール通学
独学のメリット・デメリット
- 費用を抑えられる(テキストと問題集の購入費用くらい)
- 自分のペースで勉強できる
- モチベーション維持が大変
- 非効率な勉強法になってしまう可能性がある
- 誰かに強制されなくとも、自発的に勉強できる方
- 費用をなるべく抑えたい方
以下の記事で独学におすすめのテキストを紹介しています。
通信講座のメリット・デメリット
- どこに住んでいてもトッププロの講義を受けられる
- 講義の動画やDVDがあれば繰り返し視聴できる
- わからないことをすぐに聞けない
- ある程度の自立心が求められる
- 働きながら勉強したい方
- 効率的に学習を進めたい方
以下の記事でおすすめ通信講座をまとめたので、興味がある方はぜひ。
スクール通学のメリット・デメリット
- 勉強する習慣が身に付く
- わからないことがあればすぐに聞ける
- 費用が高い
- 講義や通学までの時間の制約が生じる
- 一人で勉強を継続する自信が無く、誰かに管理されたい方
- ある程度お金に余裕がある方
結局どの勉強法が一番いいのか
大前提、中卒の方が3つのパターンどれを選んでも合格は可能です。
私は、市販のテキストを購入して独学で挑みましたが、1度目は不合格でした。
ちなみに、あと2問正答していれば合格だったので、
独学でも合格できるぞ…?
と手応えは感じていました。
しかし、働きながら独学で勉強していた私の中では、
早く合格して、受験生活から解放されたい…
という気持ちもありました。
よって、2度目の受験で絶対合格するためにも、通信講座を申し込み、結果、2度目の受験で無事合格できました。
独学でも十分合格を目指せますが、
1発合格を目指すなら、通信講座やスクール通学を活用することをオススメします。
まとめ
中卒でも高卒でも行政書士になれます。
大切なのは、行政書士試験に合格するための自分に合った勉強法を選ぶことです。
行政書士は学歴に関係なく活躍できる資格なので、法律系資格に興味がある方、将来独立したい方には挑戦する価値のある国家資格だと言えます。