行政書士試験の攻略

過去問だけで行政書士試験に合格できる?合格者の声を聞いてみた

過去問を解くだけで合格できるの?
どんな勉強をすればいいの?

行政書士試験に挑む方は、このようなことを考えたことがあるはず。

本記事では、過去問だけで合格できるかについての解説と、令和6年度の行政書士試験に合格したアシスタントへインタビュー形式でどのような勉強をしたかを聞いていきます。

これから行政書士試験に挑戦する方の参考になれば幸いです。

この記事を書いた人
行政書士ヤマハチ 現役行政書士
30歳で行政書士事務所開業
1年目の売上16,500円という絶望から、開業3年目で売上1,800万円達成

行政書士試験は過去問だけで合格できる?

過去問だけでは限界がある

結論、過去問だけで合格することは難しいです。

他士業の資格勉強をしている方ならまだしも、法律初学者の場合は、運が味方につかない限りほぼ不可能でしょう。

過去問を解くこと自体は、メリットがあるので、もちろんオススメです。

しかし、言わば特定の問題に絞られた問題集であるため、過去問だけの勉強法は基本知識が身につかないなどのデメリットもあります。

過去問を解くメリット
  • 出題傾向がわかるようになる
  • 問題形式に慣れることができる
  • 時間配分の練習になる
過去問だけを解くデメリット
  • 基本的な知識が身につかない
  • 条文理解が足りず、条文の組合せ問題が解けない
  • 最新の法改正に対応できない

これから行政書士試験に挑戦される方は、基本知識の理解を深める勉強を進めましょう。

そのため、基本テキストを購入して独学に挑戦するか、通信講座に申し込むことをオススメします。

どんな勉強をしたか聞いてみた

令和6年度の行政書士試験に合格したアシスタントさんへ、今までの試験勉強について聞いてみました。

アシスタントの経歴等

  • 最終学歴:4年生大学卒(理系)
  • 法律学:勉強経験なし
  • 資格:特になし
  • 受験回数:3回目で合格
  • 勉強方法:3回とも独学
     (3回目はヤマハチのアドバイス有)
  • 合計勉強時間:およそ1,300時間

1度目の試験:勉強時間が足りず

ヤマハチ(以下、ヤ):2024年度の行政書士試験お疲れ様でした!合格おめでとう!

アシスタント(以下、ア):ありがとうございます!頑張りました〜。

ヤ:早速ですが、過去3回の受験ということで、どんな勉強をしていたか教えてください。

ア:1回目(2022年度)は、「短期間で合格した」という人がネットで勧めていた「合格革命」シリーズを2冊だけ購入しました。

ア:受験自体が大学入試ぶりですし、資格勉強は一切したことないので、勉強習慣もなく、「楽で投資も少なく合格できる方法ないかな〜?」と軽い気持ちで独学を選びましたね。

ヤ:購入したのは、「肢別過去問集」と「出るとこ千問ノック」の2冊だね。(以下画像の左2冊)

ヤマハチアシスタントが独学で使用したテキストのすべて

ア:そうです!「過去問を解けるようになれば、本番試験も合格できるだろう。」と思ってましたが、問題文は何が書いてあるか本当にさっぱりで…。

ヤ:法律初学者でいきなり過去問を解くのは厳しいよね。

ア:「とりあえず薄い本から始めてみよ…。」と、ひたすら「出るとこ千問ノック」を読んで、問題を知って、イメージを膨らませて、不明点はネットでその都度解説を調べて…。って今思えばかなり遠回りをしてました。笑

ア:そんな勉強をしていても、半年間では時間が足りず。民法の債権、家族法(親族・相続)、商法/会社法は、全く手付かずのまま本番を迎え、勘で解いてラッキーの170点でした。

ヤ:勘が鋭い!笑 もう次で合格できたのでは!?

ア:いえ、中途半端な勉強で点数を取れたことが自分をダメにしました…。

2度目の試験:自分を過信していた

ア:正直、「1回目で手付かずの範囲を勉強すれば、次で合格できるでしょ?」と、舐めてかかってました。

ア:仕事が忙しいことを言い訳に、試験後から2023年5月まで勉強せず、勉強再開後も新しいテキストは買わず、ネットの試験対策動画を見て、それっぽく勉強した気になってました。

ア:そんな状態で受かるはずもなく、2回目の行政書士試験も惨敗。恥ずかしながら自分を過信してました。

ヤ:しっかりと対策をしなければ合格は難しい試験だよね。

ア:意地になって誰にも頼らないタイプの独学を貫いてましたが、「ヤマハチ先生にちょっと相談するか…。」と覚悟を決めました。笑

基本からやり直して3度目の正直

ヤ:合格に近いのは通信講座の利用だけど、独学合格を目指しているならってことで、私も「合格革命」シリーズを紹介したね。(以下画像の右4冊)

ヤマハチアシスタントが独学で使用したテキストのすべて

ア:はい!すぐに「基本テキスト(表紙をなくして中身の冊子のみ…。)、肢別過去問集、記述式・多肢選択式問題集、予想模試」を購入しました!(2024年6月頃)

ヤマハチがオススメする試験対策テキストは以下の記事を要チェック!

基本テキストと肢別過去問集の使い方

ア:「まずは基本テキストから!」と言われて読んでみると、今までの点と点が線で繋がるような「なるほど!こういうことだったのか!」ってことばかりで、勉強が少し楽しかった記憶があります。

ア:勉強の流れは、「初学者なら基礎法学で法律知識を身につける、条文の読み方を知る。そして、行政法に入る。」とヤマハチ先生が解説されてた通りです。テキストの使い方はこんな感じ。

テキストの使い方 その1
  • 基本テキスト⇄肢別過去問集 を行き来する

例:
基本テキストで「行政手続法」を読む
→肢別過去問集で「行政手続法」を解く(重要度A,Bのみ)
→間違えた問題は✅を付けてすぐ解き直す

終わったら次に進み、
基本テキストで「行政不服審査法」を読む
→肢別過去問集で「行政不服審査法」を解く(重要度A,Bのみ)
→間違えた問題は✅を付けてすぐ解き直す

…他の科目も同様に、「基本テキスト」⇄「肢別過去問集」を繰り返す

試験対策に関する記事はこちら
【行政書士試験】何から勉強し始めるべきか
【行政書士試験】合格に必要な勉強時間は?最短合格者の正体と勉強法
【行政書士試験】1年間の勉強スケジュールと出題形式別の目標点
など、まだまだ試験対策記事を執筆中!

ア:これは、「知識のインプット・アウトプットを繰り返す」ってことですよね?覚えたばかりの知識で問題を解くので、スラスラ解けてモチベーションも高いまま続けられました

ア:この方法で、行政法全部を1周した後は、民法→憲法→行政法2周目→…と続けていきました。

ヤ:素晴らしい!繰り返す、また時間をおいて繰り返す、というのは重要だからね。実践してくれて、しかも合格してくれてありがとう。実は私にとっても、ちょうど良いタイミングで。

ヤ:このブログを書こうと思った時に、行政書士試験対策の情報や勉強法を研究し直したんだよね。そこで段々とヤマハチの書く記事や持論は再現性があるのだろうか?って気になっていて。せっかく発信するならどんな人でも参考になる勉強法をオススメしたくて。

ア:僕がいい実験体になれたと思います笑

同じテキストを何周もして完璧に覚える

ア:あと衝撃を受けたのは、「参考書は1冊で十分!1冊を抜けや漏れなく完璧に覚えること!」です!

ア:試験勉強って、「参考書をたくさん用意しなきゃだめなのかな…?」って思ってましたが、「合格に必要な最低限の知識が1冊に詰まっているからそれを覚えればいいだけ。」と聞いて、「1冊だけなら僕でもできそう?」と気持ちが軽くなりましたもん。

ヤ:仮に高難易度の問題も解いて高得点を狙うならもっと詳しい参考書があっても良いよ。

ヤ:ただ最短合格狙いなら、2〜3冊を1周するよりも、1冊を2〜3周した方が確実に理解度が増していくはずなんだよね。

ヤ:分かりきったとこは飛ばせるから他の部分の注目度が上がっていくし、他の参考書をじっくり読んで「あ…知ってることだった」という時間もないし、映像記憶もできて「あのページの見開き右上らへんにあったよな…」って思い出しやすく、探し出しやすくもなる。良いこと尽くし。

ア:はい、実際にやってみると言ってることがよく分かります。試験終わってからもう勉強してないですけど、「〇〇が書かれてるページを開け」と言われたら、たぶん閉じた状態からでも場所を特定して開けます笑

ヤ:私は実務の専門書で同じことが起きてるよ笑 重要ページに付箋はつけてるけど、さらに「その間のこのページだな?ドン!」って。

直前は記述式問題集と予想模試で対策

ア:記述式問題と予想模試は1か月前から対策を始めました。最後は駆け抜けるように急ピッチで勉強した記憶があります。

ヤ:初めからそういう計画だった?

ア:2024年6月から勉強をやり直したので、そういう計画と言えばそうです。条文の原則や例外などの基本知識が頭に入っていないと記述式は解けないよって言ってましたよね。

ア:だから、「基本知識の周回が終わるまでは何としても手をつけない!」と思ってスケジュールを組んだら、着手が1か月前の予定になりました。

ア:わかっていたものの、10月になるとやっぱ焦りました。「もっと前から記述対策しなきゃ間に合わない…?記述対策が択一に活かされるとかで実は損してない…?」って半信半疑です。

ア:でも「先生の言うとおりにしよ。ダメだったら先生のせいにしよ。」くらいの気持ちでスケジュールを守り抜きました

ヤ:合格してくれてほんと良かったよ。笑

ア:そして予想模試で仕上げにかかりました。

テキストの使い方 その2
  • 「予想模試」は本番環境に近づける

例:
本試験は、2024年11月10日(日)13:00−16:00なので
模試1回目 10月20日(日)13:00−16:00
模試2回目 10月27日(日)13:00−16:00
模試3回目 11月3日(日)13:00−16:00
と本番を意識したスケジュールを組む

解答の時間配分を確認するのは当然
前日は何時に寝て、当日は何時に起きるのが良いか
朝ごはんは何時に何を食べるのが良いか
体調管理含めて、本番で100%の実力を発揮できるように
何回もリハーサルすることがオススメ

伸びた得点について

ヤマハチアシスタントの合否通知書

ヤ:今回の点数は想定通りだった?

ア:ズレはありましたが、おおむねヤマハチ先生が推奨する得点通りですかね。

ヤ:基礎知識の44点は、想定の28点よりも16点多いね!

ア:基礎知識は、得点源を対策通りバッチリ押さえましたプラスで「一般知識」に偶然知ってる問題が出てきてラッキー。解きながら「足切りは回避したな」って自信がありました。

詳しくはこちらの記事で解説してます!
行政書士試験の合格基準点を徹底解説!科目別の目標点も教えます
【行政書士試験】基礎知識の概要と攻略法

ヤ:よかった〜。基礎知識は出題の捻りようがない分野もあるもんね。ちなみに、記述式は点数が伸びているけど、どんな対策をしたの?

ア:記述式は、「合格革命」の記述式問題集が効果ありました。問題の種類も網羅されてますし、「このキーワードで8点」と重要ポイントがしっかり解説されているので、「〇〇という問いなら●●という答え」みたいな様式を知ったらスラスラ解けましたね。

ア:ヤマハチ先生の言う記述式は必ず問題文にヒントがあるを意識しました。行政法は特にそうでしたね。問題文にある単語と関連キーワードを条文知識に当てはめたら自然と解答文ができてました。先取特権が出た時はかなりビビりましたが!笑

ヤ:ためになったようでほんと良かったよ。でもすごい努力したね。大変だった??

ア:しんどかったです。少なくとも僕にとっては簡単じゃなかったです。笑 理解できない問題で何時間も足止めされちゃうし、焦るし…。日常生活は、ずっと頭の中で子供役と教師役を演じてましたよ。

ヤ:あ〜、些細な質問を自分自身に投げかけて、それを教師になったつもりでわかりやすく解説してあげるっていう勉強法ね。記憶の定着は、能動的に思い出すことが重要だし、理解していないと他人に説明できないからね。地味に超重要な勉強法だよ。

ア:毎日の通勤や家事、食事、風呂、眠りにつく前とか、合計するとテキストがない時間の方が多いですから、ひたすら自問自答してました。「あれ?ここ上手く言葉にして説明できないぞ?」っていう自分の中でも意外な気づきがあって、基本テキストをすぐ開き直して確認することが一番効果があったかもしれないですね。

ヤ:では、最後に行政書士試験の合格を目指す方々へ一言!

ア:試験勉強は大変ですよね。でも、基本をしっかり固めれば、合格はできます僕は、ヤマハチ先生に試験勉強のロードマップを引いてもらったので、完全な独学とは言えませんが、独学でも合格は可能だと思います。ただ、先生や講師がいると、ググッと道が拓けることは間違いないので、効率良く勉強するため誰かに頼るのも良いと思います。諦めず頑張りましょう!ヤマハチ先生のブログも見てあげてね!笑

ヤ:インタビューは以上です。お疲れ様でした!合格おめでとう!

ア:ありがとうございます!

以下、アシスタントの試験勉強の軌跡。

  • 基本テキスト⇄肢別過去問集(重要度A,B)4周
  • 記述式問題集を3周
  • 模試の解き直しは、重要度A,Bを重点的
  • 2024年 勉強開始:6月中旬
  • 2024年 勉強時間:3〜4時間/日、1か月前5〜6時間/日
     →計:約500時間/年
  • 合計費用:約4.5万円(受験料3回、テキスト6冊)

アシスタント曰く、「費用は安く済んでるように見えるかもしれないですが、3年間の心的ストレスと勉強時間を考えたら通信講座を利用して1年で合格した方が良いかもな?とも思います。」とのこと。

最後に 過去問+基本テキストで対策

以上、過去問だけで合格できるのかと、合格者インタビューでした。

過去問を解くメリット
  • 出題傾向がわかるようになる
  • 問題形式に慣れることができる
  • 時間配分の練習になる
過去問だけを解くデメリット
  • 基本的な知識が身につかない
  • 条文理解が足りず、条文の組合せ問題が解けない
  • 最新の法改正に対応できない

基本知識を確実に身につける勉強が合格につながります。

  • 基本知識を重点的に押さえること
  • 一つの参考書を反復すること
  • 日々、能動的に思い出すこと

もしも短い時間で反復勉強をするときは、「重要度A,B」などの試験頻出問題を優先的に周回するようにしましょう。

頻出問題の正解率を上げれば、本試験の得点の伸びが変わるはずです。

行政書士試験の合格を目指して頑張りましょう!

以下の記事では独学合格を目指す人向けに、オススメのテキストを紹介してます!

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