行政書士の働き方

行政書士のピンクカード(申請取次行政書士)

この記事を書いた人
行政書士ヤマハチ 現役行政書士
30歳で行政書士事務所開業
1年目の売上16,500円という絶望から、開業3年目で売上1,800万円達成

ピンクカードの基礎知識

ピンクカードとは?

ピンクカードとは「届出済証明書」の俗称です。

ピンクカードを取得することで、申請取次業務(=入管業務)が行えるようになり「申請取次行政書士」と呼ばれます。

入管業務について

入管とは「出入国在留管理庁」の略称で、在留資格に関する手続きの窓口です。

日本に滞在する外国人の方は、活動内容や身分に応じた在留資格が必須です。
その在留資格に関するサポート業務を入管業務と言います。

ちなみに、世間では在留資格のことを一般的に「ビザ」(就労ビザ/配偶者ビザ/留学ビザ等)と呼んでおりますが、ビザは本来「査証」を意味します。

査証とは
日本へ入国するために日本大使館(領事館)が外国人に発給する入国許可証のようなものです。
(=JAPAN VISA)

ピンクカードを取得し、申請取次行政書士になることで、日本に滞在する外国人や、日本への入国を希望する外国人に代わって、在留資格に関する申請書類の作成、提出を代行することができます。

入管業務を専門にするならピンクカードは必須

厳密に言うと、ピンクカードを持たない行政書士であっても在留資格に関する書類作成だけなら可能です。

しかし、申請者本人に代わって入管へ申請書類を提出することはできません。

入管の手続きは本人出頭が原則であり、親族等の一部例外を除き、本人以外の方が申請書類を提出することが認められていないからです。

本人に代わって入管へ申請書類を提出することを「取次(とりつぎ)」と言いますが、ピンクカードを持っていれば、書類作成から取次までワンストップで対応できるようになります。

入管業務を専門に取り扱う場合でしたら、ピンクカードの取得は必須です

ピンクカードの取得方法

  • 「行政書士申請取次事務研修会」が開催する研修の受講
  • 効果測定に合格
  • 申請取次申出書を所属行政書士会へ提出

研修の申込みからピンクカード取得まで約3か月程度かかります
受講費用は30,000円です。

研修はVOD(ビデオ・オン・デマンド)方式なので、講義動画を自宅や事務所で視聴することができます。

ピンクカード取得までのロードマップ

  • 「行政書士申請取次事務研修会」の研修スケジュールを確認
  • 申込書のFAXと受講料の支払い
  • 受講票の受け取り
  • 講義動画の受講
  • 効果測定と課題レポート作成
  • 修了証の受領
  • 所属単位会宛に申請取次申出書を提出
  • 「ピンクカード(届出済証明書)」の受領

①「行政書士申請取次事務研修会」の研修スケジュールを確認

日本行政書士会連合会のホームページに研修日程が公表されていますので、まずは直近の研修日程を把握しましょう
(例として令和6年度の研修日程表を掲載しています。)

新規でピンクカードを取得する方向けの「事務研修会」と、ピンクカードの更新する方向けの「実務研修会」がそれぞれ年4回ずつ開催されます。

独立開業後に入管業務を専門に取り扱う予定の方は、研修スケジュールも考慮しつつ、行政書士登録手続きを進めましょう。

②申込書のFAXと受講料の支払い

日本行政書士会連合会のホームページから申込書をダウンロードし、必要事項を記入してFAX送ります

FAXが無い方はコンビニのFAXサービスを利用すればOKです。

数日以内に受講料の振込案内が届きますので、30,000円を指定口座に振り込みます。

③受講票の受け取り

受講の手引き研修資料効果測定問題効果測定解答用紙レポート課題等が届きます。

④講義動画の受講

行政書士登録者しかアクセスできない会員用の研修サイトがあるので、アカウントを作成してログインすれば、講義動画を視聴できます。
総視聴時間数は約5~6時間程度です。

ちなみに、講義動画は視聴できる期間が決まっていますので、早めに視聴しましょう。

⑤効果測定と課題レポート作成

効果測定の内容は、入管法に関する択一式の問題が20問です。

資料等を見ながら回答できますし、設問ごとに参照条文も記載してくれているので、解けないと言うことはまず無いと思います。

課題レポートは、設問に対して指定されたワードを盛り込みつつ、400~800文字でレポートを作成することになります。

効果測定とレポートが完成したら、その他の必要書類と一緒に日本行政書士会連合会へ郵送します。

効果測定の解答用紙-記入例

⑥修了証の受領

事務所宛に修了証が届きます。

次のステップで必要となる重要な書類ですので、大切に保管しましょう。

申請取次行政書士の修了証書

⑦所属単位会宛に申請取次申出書を提出

所属単位会に申請取次申出書、写真、誓約書、経歴書、修了証などの必要書類を提出します。

書類の様式はすべて日行連のサイトからダウンロードできます。
※所属単位会によって様式や必要書類が異なる場合があります。

提出した書類は所属単位会を通じて、地方出入国在留管理局長に届出されます。

⑧「ピンクカード(届出済証明書)」の受領

無事、審査が通過すればピンクカードが届き、晴れて申請取次行政書士の仲間入りです。

入管へ申請書類を提出する際に、必ずピンクカードの提示が求められますので、紛失しないように大切に保管しておきましょう。

また、ピンクカードは3年毎に更新が必要であることも覚えておきましょう。

まとめ

入管業務を専門に取り扱うのであれば、ピンクカードの取得は必須です。

研修が年に4回しか開催されていないこと、申し込みからピンクカード取得までに3か月程度の期間を要することに注意しましょう。

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参考になれば幸いです。