行政書士の働き方

行政書士は儲かる?

行政書士の働き方

行政書士に興味がある方も、すでに行政書士資格を取得している方も、一度は気になる

行政書士って儲かるの?

という疑問。

こちらの記事では「行政書士は儲かるのか?」について、現役行政書士が解説していきます。

行政書士の収入と儲かる分野

行政書士の働き方と平均年収

厚生労働省の調査によると、行政書士の平均年収は約580万円です。

平均年収580万円であれば、行政書士が「儲かる資格」とは言えないように思いますが、同じ行政書士であっても働き方によって収入が変動します。

  • 個人開業の行政書士(ベテラン・新人)
  • 使用人行政書士(雇用されている行政書士)
  • 税理士や社労士とのダブルライセンス

そもそも「儲かる」の定義が人によって異なりますので、仮に「儲かる資格=年収1,000万円以上を稼げる資格」と定義するのであれば、行政書士は十分「儲かる資格」と言えます

行政書士の儲かる業務分野

行政書士は扱える業務の幅が広いことに特徴がありますが、儲かる業務分野となるとかなり絞られます。

儲かる業務分野の例
  • 建設業務
  • 産廃業務
  • 運送業務
  • 入管業務
  • 相続業務
  • 補助金申請
  • 農地転用許可
  • 風俗営業許可
  • 飲食店営業許可
  • 無人航空機の飛行許可(ドローン)

実際に、これらの分野に特化した専門の行政書士事務所は多数存在し、逆を言えばそれだけ見込み顧客のいる分野であることを意味します。

儲かる行政書士になるための4つのポイント

  • 独立開業する
  • 専門分野の確立
  • WEBマーケティングのスキル
  • 十分な資金

1.独立開業する

儲かる行政書士になるには「独立開業」が必須です。

独立開業だと、売上から固定費を差し引いて残った利益がすべて自身の収入になります。

当然、独立開業しただけで儲かるわけではないのですが、儲かる行政書士になるために、独立開業というスタートラインに立つことが前提となります。

2.専門分野の確立

行政書士は扱える業務が幅広いのが特徴です。

だからこそ、「専門分野(主要業務)」を決めることが重要です。

例えば、美味しいお寿司を食べたい人はA、Bどちらのお店を選ぶでしょうか。

A.焼肉・お寿司など食べ放題
B.回転寿司

同程度の料金であれば、ほとんどの方はBのお店を選ぶはずです。
なぜなら、お寿司が食べたいから。
食べ放題のお寿司より回転寿司の方が美味しいと思うからです。

行政書士も同様です。

行政書士としてお客様に「どんな価値を提供するのか?」を明確にするために、専門分野を決めておくことが重要です。

専門分野を確立するメリット
  • 自己PRしやすい
  • 習得すべき業務知識が絞られる
  • 顧客ターゲットが明確になる
  • 集客方法や人脈形成の方針が立てやすくなる

3.WEBマーケティングのスキル

行政書士として独立開業した場合、多くの方がWEBサイトでの集客を考えると思います。

では、

集客できるWEBサイトとは具体的にどういうサイトか?

その点を理解することがWEBマーケティングの第1歩です。

マーケティング:
商品・サービスが売れる仕組み

WEBサイトで集客するには、

  • コンバージョン率(問合せ率)を上げる
  • アクセス数を増やす

この2点を最大化させていく必要があります。

コンバージョン率とは、問合せ数÷アクセス数の数値です。

コンバージョン率の計算例
  • 問合せ数:15件
  • 月間アクセス:1000アクセス
  • コンバージョン率:1.5%

アクセス数を伸ばすためには、自身のサイトを上位表示させる必要があります。

例えば、建設業専門の行政書士だった場合「建設業許可申請+○○(地域名)」などで検索したときに、自分のサイトが何番目にヒットするかということです。

上位表示されないサイトにアクセスが集まることはほとんどありません。

更にアクセス数だけでなく、サイト訪問者が問合せしたくなるサイト構成や文章作成、イメージ画像などの作り込みも大切です。

つまり、顧客の心理や顧客の目線に立ったサイトを制作しなければなりません。

当然、これらの知識も一朝一夕で習得できるものではないので、独立開業前に書籍での知識習得や、実際に練習サイト(個人ブログ等)を立ち上げてみることをオススメします。

4.十分な資金

十分な資金を用意せず、見切り発車で独立開業すると地獄を見ます。

最低でも開業費用に加えて、1年分の固定費(ランニングコスト)と生活費は用意すべきです。

項目費用詳細
開業資金60~80万行政書士登録費用(約30万)、備品等の購入費
1年間の固定費120万月の固定費10万円×12か月
1年間の生活費180万月の生活費15万円×12か月
予備資金50~100万広告費、セミナー、書籍購入、交際費
合計約500万
必要資金の目安例

予備資金も用意しておけば、必要なタイミングで必要な投資ができます。

例えば、広告費、セミナー参加費、書籍購入費、接待交際費などです。

行政書士で儲かるためには「投資」を恐れない気持ちと、余裕を持った資金準備が成功のカギとなります

行政書士の業務と収益性

行政書士業務の報酬額

行政書士の報酬は自由報酬、つまりは自分自身で自由に価格設定できます

儲かるためには

低価格にしないこと

です。

開業したての頃は、実績も経験もないため、優位性を図るために、価格で勝負したくなるものですが、安売りをすると後々自分の首を絞めることになりますのでオススメできません。

 報酬の決め方

上記2点をリサーチして、まずは平均値で報酬を決定することをオススメします。

行政書士業務の収益構造

売上=顧客数×平均単価×リピート率

行政書士は業務の性質上、基本的に単発業務です。

つまり、1人のお客様から毎月(毎週)ご依頼をいただくことがありません。

許認可申請等で一度ご依頼いただいたお客様であれば、その後の更新手続きや、変更手続き、その他の追加依頼を再度ご依頼いただくことはありますが、毎月発生するものではありません。

なので、行政書士として儲かるためには

「顧客数」と「平均単価」

をどのように伸ばしていくかが重要となります。

顧客数を伸ばすための一例
  • 集客サイトの最適化&広告運用
  • ポスティング
  • セミナー開催
  • DM送信
  • 飛び込み営業
  • 他士業との人脈形成
平均単価を上げるための一例
  • 基本料金を高めに設定する
  • 料金プランを用意する
  • オプションサービスを充実させる
  • 難易度加算を設ける
  • ダブルライセンス等で提供サービスの幅を広げる

行政書士は儲けることもできる仕事

行政書士資格は独立開業が前提とはなりますが、やり方で次第で十分に儲けられる資格だと言えます。

しかし、個人的な意見としては「行政書士は儲かるか?」と考えること自体あまり意味が無いように思います。

行政書士は儲かるのか?

ではなく、

行政書士でどうやって儲けるか?

を考え続け、行動し続けられる行政書士が結局は儲かると思います。