行政書士に依頼するかどうかは、最初の見た目の印象でほぼ決まる。
これは、決して大げさな表現ではありません。
実際に、私の事務所へ依頼されたお客様は、
と、目に見える情報から「この人なら任せられそう」と判断された方が多いです。
特に開業初期は、数少ない相談機会を逃さないためにも事前の準備が欠かせません。
本記事では、信頼感を高めるべくすぐにできることや長期的なブランディング戦略について、現役の行政書士が解説します。
「相談したい」と思ってもらえる事務所を目指す方にとって、参考になれば幸いです。
なぜ「見た目」を整える必要があるのか?

第一印象は、一瞬で決まる
一般的に、人は”たった数秒”の印象で、
- 信頼できそうか
- 清潔感があるか
- 誠実さがあるか
を判断します。
行政書士も同様に、第一印象の影響は軽視できません。
例えば、お客様が「なんだか頼りなさそう」と感じてしまえば、その時点で信頼関係は築きにくくなります。
つまり、実績や知識がどれだけ優れていても、「暗い・古い・だらしない」が一つあるだけで、選ばれにくい行政書士になります。
だからこそ、見せ方にも工夫が必要です。
「信頼できそう」と感じてもらうための3要素
実際に、私の事務所へご依頼いただいたお客様の声に基づいて、「ヤマハチ先生なら信頼できそう」と感じたきっかけを3つ紹介します。
- 事務所の雰囲気
- WEBサイトの印象
- 身だしなみ・話し方
① 事務所の雰囲気

事務所が綺麗、おしゃれで良い!

街中にある事務所で行きやすかった

面談スペースが個室でちゃんと区切られているから、不安や悩みを話してもプライベートが守られそう
私は開業当時、レンタルオフィスに事務所を構えていたため、内装・立地・設備などはお客様からの評価が高かったです。
また、専門とする国際業務では、深いお悩みやご事情をお持ちの方もいらっしゃいます。
第三者からしっかりとプライベートが守られる空間があることは、私の想像よりもお客様にとって安心感に繋がっていました。
② WEBサイトの印象

コラムが充実していて、知識が豊富な先生だと感じました

他の事務所よりも見やすくて、わかりやすい!

過去の事例を見たとき、「私の場合は何に気を付けるべきか」がわかって相談しやすかった
私は、WEB集客に向けてSEOに注力し、100本以上のコラムを執筆しましたが、結果的に「0から信頼を築ける」コンテンツにもなっていました。
他にも、装飾の統一感、読みたくなる話の流れ、「自分のこと」と感じるキャッチコピーなど、WEBサイトだけでもできることは多々あります。
③ 身だしなみ・話し方

面談中の様子が映った写真を見て、真摯に向き合ってくれそうだなと思いました

お客様の声のインタビューでみんな笑顔の写真があってなんだかかわいい(笑)
お客様と対話中の写真を掲載することで、
自分と話した時にも、こんな対応をしてくれそう
という、期待感を持たせることもできます。
ちなみに、顧客対応時はいつもスーツです。
スーツ姿について何か言われることはあまりないですが、誠実さを身につけられるので、個人的には必須です。
「スタートラインに立つ」という意識
そもそも、お客様の候補に入るための「スタートラインに立つこと」が重要です。
少し厳しいことを言いますが、士業のプロに任せるなら、
実績なんて、良くて当たり前
お客様より、知識があって当たり前
誠実さや真摯さがあって当たり前
という、顧客のニーズがあります。
そのため、人が潜在的に持つイメージを準備できて初めてスタートラインに並んだ状態と言えます。
ネガティブな印象があれば、恐らく候補にすら入らないでしょう。
続いて、取り組むべきことを紹介します。
信頼感を高める方法

では、まず何から始めればいいのか。
WEBサイトの中身を充実させたり、対人スキルを高めたりすることは、時間がかかるものです。
そのため、信頼されるための第一歩は、事務所を整えることです。
まず取り組むべきは「事務所の見せ方」
以下のような点は、すぐに改善できます。
- 整理整頓
- 明るい照明
- 広い机
- 顧客用の良い椅子
- 書類や備品は最低限
- 観葉植物や間接照明(お好みで)
- 自宅開業なら生活感を出さない
- オンライン面談なら専用背景を準備
- 事務所の写真をHP、Googleマップに掲載
”弁護士事務所のオフィス”を想像してみてください。
ドラマに出てくるようなオフィスがパッと思い浮かぶかもしれませんが、恐らく、お客様も似たようなイメージを持っていると思います。
そして、そのイメージとあなたの事務所の雰囲気が比較されます。
明確なコンセプトを持って、事務所づくりをされているなら話は別です。
そうでなければ、少なからず、”士業のオフィス”というハードルは超えられるようにしておきましょう。
また、事務所の写真はWEBサイトやGoogleマップに掲載しましょう。
もし公開していなければ、無いのと一緒です。
Googleマイビジネス(Googleビジネスプロフィール)を利用して、Googleマップに事務所写真を表示させましょう。
ハロー効果
事務所の見た目だけで大袈裟な…
と、思うかもしれませんが、面談スペースが整理整頓されているだけでも、お客様にとっては「この人に任せても大丈夫そう」という印象に繋がります。
”ハロー効果”を知っていますか?
簡単に言うと、一つの印象が全体の評価に影響を与える心理効果のことです。
ポジティブな例:
見た目が良い人 → 「仕事もできそう」「性格もよさそう」と思ってしまう
有名な大学出身の人 → 「きっと能力も高いだろう」と感じる
ネガティブな例:
だらしない服装の人 → 「いい加減な性格だろう」と感じる
1回ミスをした店員 → 「この店、全部ダメかも」と思ってしまう
優れた実績や経歴がないのであればこそ、ちょっとした工夫で印象は驚くほど変わります。
事務所の見た目も同様です。
逆に、ここをおろそかにすると、せっかくのスキルや誠意も伝わりづらくなってしまいます。
「場所選び」もブランディングに直結
まだ事務所の設置場所を決めていないのであれば、場所選びも重要です。
オフィスの立地や外観は信頼感に影響します。
- 自宅兼事務所
- 入りにくい、プライバシーに不安
- 雑居ビルの一角
- 何の事務所かわからない
- 見栄えのいいビル
- 安心感がある、印象が良い
- 街中にあるビル
- 場所がわかりやすい、行きやすい
しかし実際には、
立地が良くて見栄えのいいオフィスを借りるのはコスト的に厳しい…
という方も多いでしょう。
コストを抑えながら“見た目”で信頼を得るには?

レンタルオフィスという選択肢
そこでおすすめなのが、レンタルオフィスの活用です。
来客時には、しっかりとした会議室で対応できるため、第一印象も格段にアップします。
また、自宅とは異なりビジネス感のある空間なので、「ここで面談したらしっかり話せそう」と思える雰囲気があります。
実際に私自身、「レンタルオフィスを利用していて助かった」という経験があります。
コストが安い、アクセスしやすい、備品が揃っているなど、最小限の投資で、最大限の結果を得られる選択肢だと思っているため、検討してみてほしいです。
レンタルオフィスについて執筆した記事はこちらから
長期的なブランディング戦略

ここまでは、第一印象に焦点を当てましたが、継続的な信頼構築も大切です。
長く信頼される行政書士になるには?
- 専門分野のコラムを掲載
- 事例紹介やお客様の声を集めて公開
- WEBサイトのセールスレターを定期的に見直す
専門分野のコラムを掲載
コラム記事の執筆は、専門性をアピールするだけでなく、SEO対策にも繋がる重要な施策です。
特定のキーワードで検索されやすくなり、結果的に潜在顧客の流入も増えていきます。
また、コラムを通じて、
この分野に強い先生だ!
と感じてもらえるため、信頼構築の面でも非常に効果的です。
記事内容は専門用語を多用せず、相談者の疑問に寄り添う内容にすると、読みやすく共感されやすくなります。
事例紹介やお客様の声を集めて公開
お客様にとって、行政書士の仕事は内容も流れもわからないことばかりです。
そこで有効なのが、過去の事例やお客様の声の紹介です。
成功事例はもちろん、トラブル対応や失敗から立て直したリカバリーの事例も含めることで、
この先生なら私の場合も任せられそう
と感じてもらえます。
実例の掲載は、あなたの人柄や仕事への姿勢を伝える絶好のコンテンツになります。
WEBサイトのセールスレターを定期的に見直す
あなたが伝えたいことを書くばかりで、お客様に刺さらない文章になっていませんか?
士業におけるWEB集客の基本は、
あ、この悩みは私のことだ…。
と共感できるようなキャッチコピー、セールスレターになっているかどうか。
そして、
悩み→共感→信頼→行動
へと導くストーリーの構成です。
もちろん、正解はすぐに見つからないものなので、定期的に分析して最適解を見つけていきましょう。
試行錯誤を続けた先には、「この先生なら私の悩みを解決してくれそう」という信頼感が生まれるはずです。
最後に 「整える」ことで信頼を築きやすくなる
以上、行政書士として信頼されるための印象づくりやブランディング戦略について、解説しました。
- 事務所の整理整頓
- 面談スペースをシンプルに
- 事務所の写真をHP、Googleマップに掲載
「信頼=第一印象+ブランディング」
実績や専門性も大切ですが、その前に“選ばれる候補に入ること”がスタートラインです。
どれだけ優れた知識や経験があっても、「見た目」や「雰囲気」で信頼されなければ、その価値が伝わる前にチャンスを失ってしまいます。
だからこそ、開業初期において「見せ方」や「環境づくり」は最優先事項のひとつです。
中でも、“事務所の印象”は信頼感に直結します。
とはいえ、立地や内装に多額の初期費用をかけるのは現実的ではないかもしれません。
そんなとき、強い味方になるのが「レンタルオフィス」という選択肢です。
事務所の外観・内観、服装、対応、WEBサイト等々…。
これらすべてが「安心して相談できそう」という第一印象につながります。
特に開業初期は、「何にお金をかけるべきか」が重要な判断ポイント。
その中でも、第一印象を整えるための投資は、費用対効果の高い選択肢です。
少しの工夫と環境づくりで、「この先生にお願いしよう」と思ってもらえる可能性は確実に高まります。
行政書士で生き残るために、頑張っていきましょう。
開業初期の不安を”信頼の土台”に変える。
レンタルオフィスは個人的におすすめです。