行政書士の開業準備をしているものの、ホームページの作成で迷っていませんか?
何のページを作成すればいいの?
作ってみたけど足りているかな?
デザインは凝っていないとダメ?
と手が止まってしまうこともありますよね。
しっかりとしたホームページがあるだけで、お客様からの信頼度が上がり、集客にもつながります。
この記事ではホームページを自作してWEB集客を実現させている現役の行政書士が行政書士事務所に必要なページと効果的なコンテンツの作り方を解説します。
各ページの書き方から問合せに繋がる設計まで具体的な作成ポイントをお伝えしますので、ホームページ作成の参考になれば幸いです。
WEB集客にも力を入れるぞ!という方はぜひ最後まで読んで、理想のホームページを一緒に作りましょう。
行政書士事務所に必要なページ

行政書士事務所のホームページには、以下のページ・コンテンツを用意しましょう。
- トップページ
- 料金表
- サービス内容
- 事務所概要
- プロフィール
- 問合せフォーム
- コラム記事
- プライバシーポリシー
- 特定商取引法に基づく表記
トップページ
トップページはサイト訪問者が最初に目にするページで、いわば事務所の顔です。
特に、ファーストビュー(スクロールせずに表示される範囲)に何を記載しているかが重要になります。
なぜなら、サイト訪問者は一瞬でサイトの第一印象を決めてしまうためです。
以下に行政書士事務所でよく使われるトップページの構造を書きましたが、この画像の上半分がファーストビューに収まる範囲です。

ファーストビューにリンクがあると訪問者の行動を促すことができます。
そのため、問合せページへ誘導するボタンやバナーを配置することがオススメ
それでは、トップページに記載するコンテンツについて解説します。
【ヘッダー】ロゴ+事務所名
ページの最上部には、行政書士事務所のロゴ+事務所名の画像を掲載します。
画像作成ツールは、CanvaとPowerPointを使っていくと良いでしょう。
CanvaはWEB上で画像作成と編集が行える無料ツールで、デザイン管理の面でも便利です。
ただし、無料版では字体やデザインの細かいニュアンスを表現することが難しいため、私はPowerPointと併せて使用していました。
そのため、Canvaはアイキャッチやバナーなど簡易的な画像の作成に向いていると思います。
画像は指定幅の2倍サイズで作成すると高画質
例:240px × 60pxの幅に収めるなら
480px × 120pxのサイズで画像作成
PowerPointは「スライドのサイズ」
Canvaは初めに「カスタムサイズ」
で任意のサイズに変更しましょう。
【ヘッダー】ナビゲーションメニュー
ナビゲーションメニュー(=グローバルナビゲーション)には、サイト訪問者の利便性を上げる情報を配置しましょう。
グローバルナビゲーションとは?
サイトの全ページに共通して表示されるメニューのこと
主要なページへ誘導するために用いる
例えば、サイト訪問者は行政書士事務所のホームページに次のような情報を求めています。
事務所の詳細を知りたい!
料金はいくらなの?
どんなサービスがあるの?
どんな実績があるの?
どんな人がいるの?
そのため、このニーズに応えられるページへのリンクをナビゲーションメニューに配置しましょう。
- 事務所概要
- アクセス
- 料金表
- サービス内容
- お客様の声
- プロフィール
- 問合せ など
ページ本文を読んでから「もっと知りたい!」とメニューをクリックすることも。
ページをスクロールしてもナビゲーションメニューが追随してページ上部に表示される設定がオススメ。
TOP画像
ファーストビューにおいては、TOP画像の作り込みが最も重要です。
なぜなら、サイト訪問者がTOP画像を見て「なんか違うな?」と思った場合、ほんの数秒で離脱されてしまうからです。
例えば、「ラーメン専門店」を探している時に、TOP画像が「焼き肉」のお店は第一候補にならないでしょう。
あえて「普通と違う」を演出して興味を引く戦略であっても、それなりに共感ができる強いストーリーや裏付けとなる実績を見せることができないならあまりおすすめできません。
そのため、サイト訪問者の検索意図に合うような画像を作成することが重要です。
画像は指定幅の2倍サイズで作成すると高画質
例:
PC画面の幅(左)画像サイズ(右)
960px × 540px → 1920px × 1080px
1280px × 720px → 2560px × 1440px
スマホ画面の幅(左)画像サイズ(右)
360px × 270px → 720px × 540px
600px × 450px → 1200px × 900px
続いて、TOP画像の構成要素について解説します。
- 背景画像
- キャッチコピー
- 宣材写真
背景画像
背景画像は、関連性がある画像、またはシンプルなものにしましょう。
- 建設業なら現場写真
- 相続業なら家族写真
- 入管業ならパスポート
- ターゲット地域の有名な風景 など
関連性のない画像を使うことは、見る側にとってノイズとなってしまうためおすすめしません。
ファーストビューに情報を詰め込みたい気持ちは分かりますが、限られたスペースを有効活用するには情報の引き算も必要です。
キャッチコピー
キャッチコピーは、ターゲットと価値(ベネフィット)を書きましょう。
ターゲットは「誰に向けたサイトか」、ベネフィットは「依頼するとどんな結果が得られるか」をシンプルかつ具体的に書く事がコツです。
- 建設業なら「建設業許可を取得したい方へ」
- 相続業なら「相続でお悩みの方へ」
- 入管業なら「外国人雇用でお困りの方へ、国際結婚を予定されてる方へ」
- 忙しいあなたの代わりに申請代行します
- あなたは〇〇をするだけ
- 完全成功報酬
- 不許可なら完全返金
- 〇〇も合わせてサポート など
ターゲットとする方の真の悩み・ニーズにぴったりなフレーズを選びましょう。
刺さるフレーズかどうかで離脱率は大きく変わるため、TOP画像の掲載後もページ分析を行い改善を繰り返していくことが重要です。
宣材写真
宣材写真は、あなたや事務所の印象を強く決める要素となります。
そのため、費用はかかりますが、プロや高品質のカメラをお持ちの方に撮ってもらうのがオススメです。
- 服装:スーツ
- ポーズ:手を体の前で重ねる
- 姿勢:斜め向き
- 目線:カメラ
ちなみに、宣材写真は2〜3パターンあると、今後ページが増えたときに有効活用できます。
可能なら体と顔が正面を向いているバージョンも撮ってもらうと良いでしょう。
メイン部分(本文)
ファーストビューでターゲット層の求める情報が掲載されていれば、興味を持って次々とページを見てもらえるようになります。
メイン部分(TOP画像より下部の本文)は、事務所の強みや特徴、訴求文、業務の流れなどを簡潔にまとめて掲載していきます。
本文の作成方法は、以下の記事の後半「初心者行政書士がすぐに使える訴求文の書き方」をご参考にどうぞ。
業務の流れについては、「サービス内容」で後述しています。
料金表
料金表は、できるだけ分かりやすい表示方法を心がけましょう。
お客様の中には、「自分がどのサービスを依頼すればいいかわからない」という方もいらっしゃいます。
そのため、「〇〇の方ならこのプラン」と依頼のケースに合わせてプランを組み、合計金額を表記することで、お客様に理解してもらいやすい料金表が作成できます。
関連して事務所の報酬額を決める方法は、以下の記事で解説していますので、ご参考にどうぞ。
サービス内容
サービス内容は、行政書士事務所が提供するサービスについて紹介するページです。
例えば、建設業許可なら許可の要件や関連情報を簡潔に記載し、詳しくはコラム記事へと誘導します。
また、ご依頼・業務の流れ(お問合せから業務完了まで)も記載していきましょう。
例を以下に書いてみましたので、ご参考にしてみてください。
1.電話・メールでお問合せ
まずは当事務所の無料相談にご予約ください。
2.無料相談
お客様の状況を確認させていただき、許可の可能性を判断いたします。土日祝日もご対応しておりますので、お気軽にお問合せください。
3.ご契約
ご希望のサービスが決まりましたら電話かメールにてご連絡ください。ご契約手続き・必要書類・今後のスケジュールについてご案内いたします。
4.ご入金(着手金の場合)
ご契約から10日以内に報酬額の半分をお支払いいただきます。ご入金が確認でき次第、正式に業務へ着手いたします。
5.書類作成
書類作成にあたり、お客様に集めていただく書類についてご案内いたします。書類収集ができましたら、当事務所へご郵送いただくだけです。お忙しい場合は当事務所にて書類収集を承ることも可能です。
6.申請
書類完成後、担当行政書士がお客様に代わって申請いたします。
7.審査期間
審査期間中、追加書類の提出を求められる場合がございます。業務完了まで役所とのやり取りもサポートいたしますので、ご安心ください。審査期間は約1か月間です。
8.業務完了(成功報酬の場合)
審査完了後、当事務所からお客様へご連絡いたします。成功報酬のご入金が確認でき次第、許可通知書をお渡しいたします。
我々行政書士にとって当たり前でも、初めて依頼されるお客様には難しい言葉やルールがあると思います。
そのため、専門用語をわかりやすく伝えることに配慮しましょう。
いつどこで誰が何をするかを明確にすると、相談前の不安解消に繋がります。
事務所概要
事務所の所在地や特徴、アクセス方法、営業時間などの基本情報を掲載します。
ちなみに、私の事務所サイトの場合ですが、Googleアナリティクスで流入経路を分析した結果、事務所概要を経由してから問合せフォームへ行き着く方がいます。
つまり、
どんな事務所なんだろう?
どこにある事務所なんだろう?
と、問合せする前に気になる方が一定層いるということです。
より一層興味を持ってもらうため、事務所概要ページで強みや特徴・他事務所との違いをアピールし、その下部に問合せフォームへ誘導するボタンを配置すると効果的です。
経験上、事務所の外観・内観や業務風景の写真もあるとお客様の安心感が増す傾向にあります。
プロフィール
代表行政書士の経歴・資格・実績などを具体的に書きましょう。
誠実さが伝わる宣材写真の掲載も重要なポイントです。
ちなみに、事務所概要ページ同様、問合せ前にプロフィールを覗いている方も多い印象です。
行政書士を目指したきっかけ
お客様に対する思い
など共感を得られるエピソードを記載すると親近感が生まれて信頼感も高まります。
問合せフォーム
問合せフォームとは、お客様が必要事項を入力して送信するとメール問合せが完了するというものです。
以下のボタンをクリックした先に問合せフォームを設置した簡易ページがあるため、参考として見てみてください。
WordPressに「Contact Form 7」というプラグインがあり、コンタクトフォームのコードは自動で生成されるため、意外と簡単に作成できます。
固定ページに「お問い合わせ」というタイトルのページを作成し、本文にコード(例:[contact-form-7 id=”××××(英数字)” title=”コンタクトフォームの名称”])を入力すると出来上がりです。
プラグインとは?
WordPressの機能を拡張する追加プログラムのこと
フォーム作成、画像軽量化、セキュリティ対策など他にも追加すべきプラグインは多々ある
問合せフォームは、できるだけシンプルかつ入力しやすい設計を心がけましょう。
入力の手間を減らすことで、途中の離脱を避け、問合せの増加に繋がります。
必須項目は最低限に
例:名前、メールアドレス、相談希望日時
他は任意項目で設定
例:フリガナ、TEL、住所、相談内容
「来所・WEB面談」等の選択肢はラジオボタンがオススメ
コラム記事
コラム記事では、取扱い業務に関する解説記事を作成します。
- 株式会社設立の流れ
- 合同会社設立の流れ
- 経営管理ビザとは
- 経営管理ビザの要件
- 経営管理ビザの必要書類
- 不許可事例の紹介
コラム記事の作成は良いこと尽くしです。
コラム記事を作成する際は、誤情報の記載がないよう「この根拠はどの法令・規則だろうか」と慎重に調べる必要があります。
その結果、コラム記事を作成する過程で実務により詳しくなり、知識を定着させることもできます。
そして、仕入れた知識を読者にわかりやすいようまとめるため、ライティングスキルの向上にも繋がります。
また、コラム記事が豊富なサイトであれば、その分野に精通した行政書士という目でみられるようになるため、お客様からの信頼も得られます。
さらに、SEO効果によって、サイトのアクセスが増え、問合せの増加にも繋がります。
SEOとは?
Search Engine Optimization(検索エンジン最適化)の略
Google等の検索結果において、自分のサイトを上位に表示させるための施策のこと
ただ単に記事を量産していけばいいというわけではないため、SEO対策のノウハウは別途記事にしてまとめます。
コラム記事の集客効果 当時のヤマハチ
私がコラム記事の作成を推奨する理由は、一度公開すれば残り続ける資産になるためです。
以下は、私がコラム記事の作成に注力していた時の様子です。
投稿数 | 問合せの推移 |
---|---|
20〜30記事 | アクセス数は増えるが、問合せは少数 |
50〜100記事 | 10件/月以上の問合せが入り始める |
100記事以上 | 毎月安定した受注数になるほど問合せが入る |
SEO対策は独学で、初めはわからないことだらけでしたが、WEBマーケティングを勉強し、試行錯誤を繰り返していくことで、WEB集客のコツを掴めるようになってきました。
ただ、SEOはGoogleのアルゴリズムによって変化し、1年に数回アップデートが起こるため、今でも勉強の日々です。
ちなみに当ブログ自体、SEOやWEB集客のテスト・再現性確認の意味を込めて運用している側面もあります。
(新たな施策を事務所サイトで試したとき、万が一のことがあっては困るため。)
そのため、当ブログで良い傾向が見られれば事務所サイトに取り入れたり、情報をアップデートさせたりと地道に改善を続けています。
コラム記事は優良な資産になるため、行政書士事務所においてコラム記事を充実させることはかなりオススメです。
YouTube動画も資産性が高いコンテンツです。
ただし、中途半端は良くないため、執筆なのか動画なのか決めたらやり切りましょう。
プライバシーポリシー
個人情報保護方針ともいい、個人情報の取り扱い方針を記載したページを作成します。
「利用目的」「第三者提供」「個人情報の保護、法令遵守」などを明確に記載しましょう。
特定商取引法に基づく表記
このページには、事務所名・代表者名・所在地・連絡先・支払方法・キャンセルポリシーなどを記載します。
特定商取引法とは?
事業者による違法・悪質な勧誘行為等を防止し、消費者の利益を守ることを目的とする法律のこと
特定商取引法の対象になるものは、特定商取引法ガイドに記載されています。
ちなみに、行政書士などの士業は他の法律によって消費者の保護がされているため、特定商取引法の適用除外となっています。
ただし、業務の全てが適用除外というわけではなく、行政書士以外の業務は適用除外の対象外となるため、このページは作成しておいた方がいいでしょう。
顧客が行政書士のHPに求めるもの

ホームページの作成だけなら数日、それなりのクオリティにするなら数週間もあれば可能だと思います。
ただし、行政書士として生き残るなら「ホームページの作成」を目的とするのではなく、
「集客」に繋がるホームページの作成
を目的にすべきです。
どのような情報が必要なのか?
どんな悩みを抱えたお客様が訪れるか?
ということを考えながら作り込む、つまり、お客様が求める情報を提供することが重要です。
そのような意識のもと、作成・修正を繰り返していくと集客できるホームページに育っていきます。
あなたの強み>>>センスの良いデザイン
「行政書士に依頼するお客様」がホームページで一番知りたいことは「あなたの強みや経験値」です。
例えば、お客様は次のような情報をホームページで確認します。
- 事務所の開業日
- ホームページの公開日
- 事務所の所在地、特徴、強み
- 対応実績、お客様の声、口コミ
- コラム記事(充実さ・正確さ・更新日) など
WEB集客においては、あなた・事務所のことを見てもらうためのコンテンツ作成が真っ先に必要ということです。
そして、作成したページをお客様が閲覧し、「信頼できる人かも」と総合的に判断していただくことでお問合せへと発展します。
また、ホームページを自作するとき、
センスの良いページを作れるかな?
と不安になる方もいるかと思いますが、行政書士のホームページにセンスの良さはそこまで重要ではありません。
仮に、カフェ・バーなら「空間の演出」、アーティスト・イベント運営企業なら「エンターテイメント性」など、ビジュアルやブランドイメージが重要な業界であれば、ホームページも魅力的であるべきだと思います。
しかし、行政書士は信頼性や期待値で選ばれるため、デザインのセンスよりもホームページに書かれている中身が重要ということです。
最後に 時間があるうちにページ作成を
以上、行政書士事務所に必要なページ・コンテンツの解説でした。
- トップページ
- 料金表
- サービス内容
- 事務所概要
- プロフィール
- 問合せフォーム
- コラム記事
- プライバシーポリシー
- 特定商取引法に基づく表記
特にWEB集客で重要なのは、TOPページのファーストビューです。
ファーストビューでターゲット層の求める情報を明確に掲載することで、他のページを見てもらうことができ、問合せに誘導することができます。
また、HP作成は時間と根気のいる作業ですが、開業前にある程度準備を終えていれば、開業後スタートダッシュを切ることもできます。
開業準備の期間がチャンスタイムですので、諸々並行して着手することをオススメします。
この記事がこれから行政書士として活躍していく方の参考になれば幸いです。
ホームページ作成について以下の記事で徹底解説しています。
これからHP作成するぞ!という方はぜひご覧ください。