行政書士の開業で意外と悩むのが「どこで開業するか」です。
自宅で始めるべきか
主要都市で事務所を借りるべきか
チャンスが広がるのはどちらか
実は、開業場所はその後の集客や収益性に大きく関わる、非常に重要な要素です。
もし選び方を間違えると、思ったように集客できず、「やりにくさ」を感じながら仕事を続けることになりかねません。
この記事では、現役の行政書士が「開業場所選びの考え方」と「成功する7つの選び方」を詳しく解説します。
これから開業を考えている方も、すでに場所選びで悩んでいる方も、ぜひ参考にしてください。
開業場所で悩む行政書士は多い

自宅開業なら初期費用を抑えられるが、信用や利便性で不安が残る。
一方で、都市部なら信頼感やアクセス性が上がるものの、コストや通勤の負担も。
開業場所は、集客・業務効率・モチベーションすべてに影響するため、軽視できない重要な要素です。
自宅開業が選ばれる理由と実態
行政書士の開業初期に「自宅開業」を選ぶ方は少なくありません。
ただし、実際に自宅開業された方の中には、次のような課題を感じることも。
特に、建設業許可、法人設立、外国人雇用の労務支援、補助金申請サポート等の”法人向け業務”では、相談先として「きちんとしている」印象が非常に重要です。
スーツ姿で迎えられる応接室と、マンションの一室では、初回の印象が大きく異なります。
レンタルオフィス開業が注目される理由
最近注目されているのが、都市近郊にある「レンタルオフィスでの開業」です。
- 初期費用を抑えつつプロらしさを持てる
- 個室タイプは行政書士登録が可能
- 設備が整っていて業務をすぐに始められる
- 会議室・受付などの共用設備が使える
- 駅近でアクセスが良い
- 清掃が行き届いていて綺麗
「見た目はしっかり、でも省コスト」という理想的なスタートができます。
このように、行政書士の独立開業というニーズにマッチしていることが、レンタルオフィス開業が注目される理由です。
自宅開業とレンタルオフィス開業の比較

- 初期費用・月額費用の違い
- 信頼感・イメージの差
- 集客力とアクセスの差
- 事務所設備の確保
初期費用・月額費用の違い
自宅開業 | レンタルオフィス開業 | |
---|---|---|
初期費用 | 応接室の机や椅子 プリンタ等の購入 | 既存設備で十分 敷金・礼金なしがほとんど |
月額費用 | 生活費に含まれる | 4万円~7万円前後 |
自宅開業は、月額費用がほとんどかかりませんが、「しっかりした事務所」という準備をするなら初期費用が高くなってしまいます。
レンタルオフィス開業は、月額費用がかかるものの、テナントを借りて賃貸事務所で開業するよりも低コストで済みます。
信頼感・イメージの差
士業は「信頼」がすべて
信頼を得られる要素として、「しっかりした事務所」という印象はとても重要です。
例えば、面談場所が生活感のある自宅やオープンスペースだと、マイナスな印象に。
一方、レンタルオフィスは会議室が整っていて情報の取扱いも安心できるため、プラスな印象を与えられるでしょう。
特に、「都市部の一等地に事務所がある」ということ自体がブランディングに効果的です。
集客力とアクセスの差
事務所所在地が都市部や駅近であるほど、アクセス性や認知度は高まります。
例えば、「渋谷駅徒歩1分○○行政書士事務所」というだけで、Web検索でもGoogleマップでも目に留まりやすく、MEO対策も効果的です。
また、駅近ならアクセス面においてもお客様が安心できます。
しかし、自宅が郊外や住宅街にある場合、住所を見てもピンと来ない方が大半で、集客には不利です。
仮に、「○○市内の事務所」と記載しても情報としては曖昧なままです。
事務所設備の確保
行政書士登録をするには、事務所の設置要件を満たす必要があります。
そのため、どんな部屋でも事務所として開業できるわけではありません。
自宅の一部を事務所にするのであれば、それなりの工夫が必要です。
事務所の設置要件について、詳しくは以下の記事をご参考にどうぞ。
成功する開業場所の7つの選び方

それでは、自分に合った開業場所をどう選ぶか?判断の軸を7つ紹介します。
- 顧客ターゲット・専門分野から考える
- オンライン対応か来客重視か
- 自分の生活動線とのバランス
- 固定費の管理が無理なくできるか
- “仕事モード”への切り替えがしやすいか
- 周囲の競合・パートナーの有無
- 将来の事務所展開を見据える
① 顧客ターゲット・専門分野から考える
最も合理的なのは、顧客ターゲット(お客様となる見込みのある人)が集中している場所や、専門分野の力が発揮できる場所に事務所を置くことです。
例えば、
風俗営業許可業務 → 繁華街の近く
地域密着型の業務 → 自宅、住宅街
に事務所を構える方が、クライアントにとって親しみやすいことも事実です。
まずは、「あなたがお客様としたい方は誰なのか」を考えることで、事務所の場所は自ずと決まるでしょう。
事業計画について解説した記事はこちら
② オンライン対応か来客重視か
ZoomなどのWeb面談やメール・チャット対応で完結する業務なら、自宅開業でも問題ありません。
しかし、直接書類を受け渡す業務や対面を重視するなら、駅近のオフィスが有利です。
また、頻繁に役所や郵便局へ行くような業務なら、アクセスの良い立地は欠かせません。
③ 自分の生活動線とのバランス
通勤時間も要検討事項です。
仮に、通勤に1時間以上かかるようだと、開業後にストレスが溜まるでしょう。
自宅以外の開業なら、無理なく通える距離・時間なのかどうかを確認しましょう。
その面、自宅開業は事務所まで徒歩0分ですが、プライベートと区別できるかが課題です。
④ 固定費の管理が無理なくできるか
初めての独立開業は、思ったようにいかないことばかりです。
特に、
開業当初は売上が安定しない
と考えた方が無難です。
そのため、月額固定費をかけるなら、コストを冷静に見積もって資金計画を練りましょう。
⑤ “仕事モード”への切り替えがしやすいか
自宅だと生活との境目が曖昧になりがち
当然ですが、「今日は何となくやる気が出ない」という日が続くと、売上にも影響します。
「外に出ることで仕事モードに切り替えられる」という方もいます。
つまり、通勤という習慣が仕事の生産性を上げることがあるのです。
ちなみに、私がレンタルオフィスで行政書士開業を始めた頃は、
何もしてなくても毎月の出費がある…
という現実が私に鞭を打ち、モチベーションを保つことができたという過去があります。
自己管理が得意でない方なら、努力せざるを得ない環境に自身を追い込むことも成功法の一つです。
⑥ 周囲の競合・パートナーの有無
周囲に競合がいるかどうかも重要な指標の一つです。
一見、競合はいない方が生き残れそうに思いますが、
競合がいない=そもそも業務の需要がない
という可能性もあります。
また、他士業がいるエリアなら、士業間の連携や紹介が生まれて、業務のパートナーとなるビジネスチャンスもあります。
ちなみに、私は同じレンタルオフィスの利用者に司法書士さんがいて、仕事の連携がしやすかった経験があります。
レンタルオフィスは良い出会いの場になり、事務所を移転した今でも、その方とはご縁が続いています。
⑦ 将来の事務所展開を見据える
いきなり多大な費用をかけて、「テナントで賃貸事務所を構える」ということは、あまりおすすめしません。
もし賃貸事務所を構えるなら、
最初はレンタルオフィスで軌道に乗ったら専用事務所に移転
が合理的だと個人的に思います。
その理由は、「この場所でこの成果なら、次の事務所はこうしよう」という戦略が具体的に立てられ、失敗する可能性が低いためです。
そういった「成長戦略」を描きやすいのも都市近郊レンタルオフィスの強みです。
迷ったときの最適解は、レンタルオフィスの活用

自分が力を発揮できるのはどこか?
正直、都会にも地元にもそれぞれチャンスはあると思います。
重要なのは、「どこが儲かるか」ではなく、
どこなら自分が力を発揮できるか
です。
どこで開業しようが、「信頼される見せ方」は大事。
都会の一等地に、受付付き・会議室付きの環境が月数万円で借りられる。
その手段として、レンタルオフィスの活用が非常に効果的です。
おすすめのレンタルオフィス会社
コストを抑えつつ信頼感のある事務所を検討中の方へ、おすすめのレンタルオフィス会社を紹介します。
日本全国展開の大手!
ここで探せば間違いなし
・Regus(士業にも選ばれる実績あり)
・JUST FIT OFFICE
東京・神奈川・埼玉エリア限定で、費用を抑えて借りられる!
・アントレサロン
※事務所要件を満たせる「プライベートオフィス(個室)」で検索しましょう。
最後に 自分のスタイルと将来像に合った場所を選ぼう
以上、開業場所選びの考え方と7つの選び方を解説しました。
- 初期費用を抑えつつプロらしさを持てる
- 個室タイプは行政書士登録が可能
- 設備が整っていて業務をすぐに始められる
- 会議室・受付などの共用設備が使える
- 駅近でアクセスが良い
- 清掃が行き届いていて綺麗
行政書士の開業場所選びは、単なる「住所の問題」ではなく、信頼感、集客効率、仕事環境など、すべてに直結する要素です。
もしも選択を失敗してしまったら、勝負にもなりません。
私自身の経験則でしかありませんが、都市近郊のレンタルオフィスを活用することで、コストを抑えながらも信頼性と集客力を確保することが可能です。
自分のスタイル・業務内容・将来の展望に合った開業場所を見つける上で、この記事が参考になれば幸いです。
レンタルオフィスを検討している方は、こちらの記事もあわせてどうぞ