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行政書士試験の攻略

行政書士試験の合格率が低い理由と攻略テクニック

なぜ合格率が低いの?
行政書士試験は難しいの?
どうやって勉強すればいい?

多くの受験生がこの疑問を抱きます。

行政書士試験は決して簡単ではありませんが、実は難関資格とも言い切れません。

本記事では、合格率が低い理由と試験勉強の攻略テクニックについて、現役の行政書士が解説します。

理由を紐解くことで行政書士試験の合格に希望が持てますので、挑戦される方の参考になれば幸いです。

この記事を書いた人
行政書士ヤマハチ 現役行政書士
30歳で行政書士事務所開業
1年目の売上16,500円という絶望から、開業3年目で売上1,800万円達成

行政書士試験の合格率の現状

合格率は10%前後で推移

直近12年分のデータをまとめてみました。

年度受験申込者数受験者数合格者数合格率
令和6年度59,83247,7856,16512.90%
令和5年度59,46046,9916,57113.98%
令和4年度60,47947,8505,80212.13%
令和3年度61,86947,8705,35311.18%
令和2年度54,84741,6814,47010.72%
令和元年度52,38639,8214,57111.48%
平成30年度50,92639,1054,96812.70%
平成29年度52,21440,4496,36015.72%
平成28年度53,45641,0534,0849.95%
平成27年度56,96544,3665,82013.12%
平成26年度62,17248,8694,0438.27%
平成25年度70,89655,4365,59710.10%
平均値57,95945,1065,31711.79%
参照:(財)行政書士試験研究センター|試験結果の推移

行政書士試験の合格率は例年10%前後で推移しており、累計平均は約11.8%です。

10人に1人が受かる狭き門とも言えます。

合格に必要な知識は明確化されている

行政書士試験は絶対評価であるため、180/300点を超えれば誰でも合格できます。

そうすると、合格者数の多すぎる、少なすぎる年があってもおかしくないはずですが、合格率は一定の割合で保たれています。

つまり、「この問題は間違える、正解する」という正答率を出題者側が把握しており、意図的に合格者数を調整していると考えられます。

逆を言えば、出題者側が想定する「合格に必要な知識の基準」が明確にあるということでもあります。

簡単に言ってしまいますが、受験生はその合格に必要な知識さえ覚えてしまえば良いのです。

ちなみに、平成26年度(2014年度)には、難易度が高すぎたことの調整で、合格基準を180点以上から166点以上へ引き下げるという「補正措置」が取られたこともあります。

完璧に調整できるわけではなさそうですね。

行政書士試験の合格率が低い理由

必要な知識を身に付ければ合格できる試験であるのに、なぜ合格率は低いのか。

その理由を紐解いていきます。

  • 試験範囲が広いため優先順位が曖昧
  • 正確な知識が問われる
  • 受験に対するハードルが低い

試験範囲が広いため優先順位が曖昧

行政書士試験は以下の試験科目で構成されています。

試験科目【法令科目】
基礎法学、憲法、行政法、民法、商法/会社法
【基礎知識科目】
一般知識、情報通信・個人情報保護及び文章理解、行政書士法等行政書士業務と密接に関連する諸法令

特に、法令科目の「憲法、行政法、民法」は、条文だけでなく過去の判例まで理解する必要があるため、対策すべき範囲がかなり広いです。

さらに、法改正があれば新しく覚えなおしたり、重要な判例が増えれば新たに覚えたりと、最新情報へのアップデートが毎年発生します。

また、基礎知識科目の「一般知識」は時事問題が頻出のため、日々のニュースや社会情勢などのインプットも並行して行います。

このように、試験科目が多い上に各分野で対策すべき範囲が広いため、

限られた時間の中で、どの分野からどれくらい勉強すべきか

という優先順位をうまくつけられず、効率良く勉強できていないことが合格率の低さの要因と言えます。

正確な知識が問われる

試験において、正確な知識が必要なことは当然と言えば当然ですが、行政書士試験には受験生が油断してしまいがちなポイントがあります。

それは240/300点が選択式であることです。

出題形式問題数点数配点
法令科目五肢択一式40問4点160点
多肢選択式3問8点24点
記述式3問20点60点
基礎知識科目五肢択一式14問4点56点
行政書士試験の出題形式と配点

行政書士試験の勉強を始めたばかりの頃は、

選択式だからなんとか当てられるだろう

と思った方もいたはずです。

しかし、しっかりと対策をしていなければ、

  • 条文の暗記が試験当日までに終わらない
  • 初めて見る判例が出ると応用ができない
  • 複数の法律知識を組合せた事例問題が解けない

という状態になります。

でも、割と簡単に5択中2択までは絞れます

それがまた油断を生んでしまい、試験当日まで基本知識のインプットを怠ると、

2択の1/2を外してしまう

という結果になります。

このような受験生を惑わせる問題が合格率を低くしている要因と言えます。

ただ、出題者はそうなることを見越して、作問していると思います。

最後の一手を詰めきるには正確な知識が必要ですので、基本に忠実に一つずつ知識をつけていきましょう。

ちなみに選択肢の一部が微妙に異なる問題も多いため、文章を慎重に読み解く力も必要です。

受験に対するハードルが低い

行政書士試験は毎年約60,000人の申込者、約45,000人の受験者がいますが、その年齢層は20代から60代までとても幅広いです。

学生や社会人など様々な方が挑戦されるのは、次のような受験ハードルの低さがあるためと考えられます。

行政書士試験は受験のハードルが低い
  • 他の法律系国家資格の中では比較的取得しやすい
  • 受験資格が不要
  • マークシートの解答が多い
  • 6割以上を得点できれば合格

行政書士の資格は、社会人が仕事と勉強を両立させながらでも取得しやすい国家資格で、学歴や年齢などの受験資格も不要なので、いつからでも挑戦できます。

また、マークシート形式で180/300点を超えれば合格であるため、「まずは1回受けてみよう」「他資格が本命だけど試験科目が重複するし試験慣れのためにも…」などのいわゆる「記念受験」「腕試し受験」も一定数います

このように試験対策を十分に積んでいない方々も受験されているため、合格率が低くなってしまっていると考えられます。

個人的に行政書士試験は、難関すぎないけどお試しで合格できるレベルでもないと思いますし、受験費用は1万円と安くないので、対策せずに受験するのはおすすめできません。

行政書士試験の攻略テクニック

行政書士試験の攻略テクニックとしていますが、様々な課題に応用できる基本的な考え方でもあると思っていますので、参考にしてみてください。

  • 無謀な独学はしない
  • 適切な教材選びをすること
  • スケジュール管理を徹底すること
  • モチベーションを保つコツ

無謀な独学はしない

今まで勉強や受験がうまくいかなかった方々に共通することは、計画不足です。

仮に、3,000時間くらい勉強すればほぼ確実に行政書士試験は合格できますが、そんなに時間をかけられない方が大半なはずです。

限られた時間の中で「いつどのときに何をするか」という勉強計画を最適化させて、効率良く勉強できた人が試験に合格できます。

学生の頃を思い出してみてください。

勉強が得意でしたか?好きでしたか?
受験は独学で乗り切れましたか?
部活動は0から自分で活動内容を考えてましたか?

先生やコーチなどの身近な人が課題を与えたり、スケジュール調整をしたりとあなたを管理してくれていたと思います。

行政書士試験にも先生となる存在がいます。

勉強が苦手な方はある意味諦めてすぐに通信講座を利用するのも手です。

得意でない分野はその道のプロに任せるのが一番の近道です。

と言いつつ、個人的には独学でやり切ることも好きなので、勉強が好きな方は独学にも挑戦してみましょう。

あくまで、望みが見えない無謀な挑戦は避けた方がいいということです。

適切な教材選びをすること

行政書士試験の参考書や問題集は数多く出版されていて、実際のところ何を選んだらいいのかわからないと思います。

行政法だけを細かく解説した分厚い参考書があったり、出題されにくい部分が多めの上級者向け問題集があったり、と様々です。

ただし、実際のところ行政書士試験は基礎を固めれば合格できるようになっています。

出題者が難易度を調整して、合格率を一定値に保たせていることがその証です。

つまり、適切な教材を選び抜くことが攻略の第一歩です。

では、オススメの教材を紹介します。

独学のオススメ教材

勉強が得意、かつ、資金をあまりかけたくない方ならテキスト4冊の合計1万円弱で合格できます

以下の記事で合格に必要な知識を無駄なく得られるテキストを厳選して紹介しています!
独学で挑戦したい方は要チェックです。

独学のメリット
  • 費用を抑えられる(テキストと問題集の購入費用くらい)
  • 自分のペースで勉強できる
独学のデメリット
  • モチベーション維持が大変
  • 非効率な勉強法になってしまう可能性がある
独学がオススメな方
  • 誰かに強制されなくとも、自発的に勉強できる方
  • 費用をなるべく抑えたい方

通信講座はキャンペーンでお得に選ぶ

通信講座も数多くありますが、正直な話、「行政書士試験の情報が最新ではない」「行政書士試験対策『も』できる程度で専門性が薄い」というところも目にします。

そのため、私の経験や受講生の話を基に、オススメできる通信講座を厳選しました。

どこもオススメなので、「早期申込特典」や「合格キャッシュバック」などの割引キャンペーンのお得さで選ぶこともアリです。

あなたの肌感に合う講師やカリキュラムを見つけるために、ひとまず片っ端から無料で資料請求するのもいいでしょう。

以下の記事でオススメの通信講座を厳選しています!
一発で合格したいという方はぜひ。

通信講座のメリット
  • どこに住んでいてもトッププロの講義を受けられる
  • 講義の動画やDVDがあれば繰り返し視聴できる
通信講座のデメリット
  • わからないことをすぐに聞けない
  • ある程度の自立心が求められる
通信講座がオススメな方
  • 働きながら勉強したい方
  • 効率的に学習を進めたい方

スケジュール管理を徹底すること

仕事と勉強を両立させたい方や効率を上げたい方は、スケジュール管理を徹底しましょう。

スケジュール管理では、

  • 集中できる時間を確保する
  • やり切る
  • 振り返る
  • 最適化する

という4つのサイクルを回し続けることが大切です。

まずは、「毎日22時〜2時間勉強」とスケジュールに入れてみましょう。

次は、1〜2週間後に「しっかりと勉強に集中できたか」を振り返りましょう。

最初は計画通りいかず、「平日は疲れていた」「想定外の予定が入った」「眠たくなってしまった」と達成できないことも起こります。

しかし、計画失敗したこと自体は決して悪いことではありません。

最適化せずに放置してしまうことが悪循環の始まりです。

じゃあどうするのか。

「この科目は夜でいいのか」「暗記と問題演習は時間帯を分けるべきか」「最初の5分は読むだけにしてみよう」など、自分なりの反省をして自分に合った勉強スタイルへ修正していきます。

その修正を繰り返して最適化させることを忘れてはいけません。

昨今、脳のメカニズムが解明されてきて、推奨される勉強法というのはありますが、一番集中できる時間帯や環境は人によって異なります

あの手この手で試すも良し、脳科学を基にした勉強方法を調べてみるも良し、何をするにしてもこのサイクルは必ず成果が出ます。

やったことないなという方は、スケジュール管理の4つのサイクルをぜひ参考にしてみてください。

ちなみに、どの科目をいつから着手するか、1年間の勉強スケジュール例を以下の記事で紹介していますので、興味のある方はどうぞ。

モチベーションを保つコツ

正直な話、試験勉強はしんどいです。

そんな中でもモチベーションを保つことができるちょっとしたコツを紹介します。

小さなことから達成感を得る

試験勉強で挫折しないために、

目標設定
↓ ↑
目標に対する自己評価

と、自分を褒めて達成感を得ることで、モチベーションの維持が期待できます。

目標達成はどんなに小さなことでも構いません

・1週間スケジュール管理を徹底できた
・今日は疲れていたけど、テキストを開けた
・狭い範囲だけど、問題集を3周できた
・前回より大きな目標値を達成できた
・全力で休むことができた など

他人から見たら些細なこと、くだらないことでも、達成までの苦労を知っているのは自分だけですから、目標はなんだって良いのです。

仲間へ宣言する

試験勉強を続ける日々の中では、自分を律することができない時もあるかもしれません。

そんな時は、試験勉強の仲間と進捗を交流してみたり、友人に「〇〇までに●●をする」などを宣言してみたりしましょう。

逃げられないような、モチベーションを上げざるを得ないような状況に自分を追い詰めることも実は効果的です。

ちなみに、顔も知らないSNSの仲間よりも信頼関係が深い仲間へ宣言する方が効果あります。

日常生活と勉強内容をリンクさせる

日常生活の事象と勉強が繋がったときやニュースの内容がわかるようになったときに、モチベーションが上がることもあります。

例えば、時事ネタで記憶に新しいのは、とある県の知事が議会による全会一致で不信任決議を受けた件ですね。

TVのワイドショーで「この場合は辞職か10日以内に議会を解散か…」と解説されている時、首長の不信任決議の流れを知っている自分が少し賢くなったような気がするとかしないとか、試験勉強あるあるです。

自分なりの興味の持ち方を模索するのも効果的です。

最後に 行政書士試験は難関資格ではない

行政書士試験の合格率は10%前後と確かに低いですが、理由を紐解くと希望を持てます。

  • 試験範囲が広いため優先順位が曖昧
  • 正確な知識が問われる
  • 受験に対するハードルが低い

厳しいことを言うと、共通して言えるのは、知識定着の追い込みが足りていないということです。

出題者は合格に必要な知識の基準を把握した上で、勉強してない人は間違える、勉強した人は正解するよう意図的に作問しています。

つまり、絶対に外せない知識を優先的に定着させていけば、合格点は超えられます

満点を取る必要はないため、基本に忠実に、スケジュール管理を徹底して、限られた時間で効率良く勉強していきましょう。

「試験勉強が右も左も分からない!」という方は、思い切ってプロの講師に合格への道筋を立ててもらうのが良いでしょう。

厳選したオススメの通信講座はこちら!